四季の展示

四季の展示「令和の年明け」

2020-01-06

「松立てて 空ほのぼのと明くる門」(夏目漱石)
新しい年を迎える準備のひとつに家の戸口や門前に一対の門松(神様の降りる目印となり宿るところ)を立てて、歳神様を迎えます。
初夢は如何でしたか。一月は松が取れると鏡開き、正月に歳神様に備えた鏡餅を食べ神仏に感謝し無病息災を祈る。そして七草、正月七日に七種の若菜を入れた七草粥を食べ万病と邪気を払います。
二月は節分、季節の分かれめ、翌日は立春。今も昔も冬の寒さに耐え迎える「春立つ日」の喜こびは大きいものです。
弥生三月は雛まつり。年中行事はそれぞれに意味があります。新しい年を迎え宝尽くしや春らしい模様裂を展示いたしました。
この度の展示は三月迄ですが、一月末には本会へ雛人形の展示も致します。どうぞお楽しみ下さい。

玩具 二越縮緬 長着

玩具 二越縮緬 長着

玩具は縁起の良い柄で、古くから祝い物などに用いられました。鯛車、唐団扇、でんでん太鼓が、菊などの花々と共に描かれ、濃い紫色地に色彩が美しく映えています。

寿の字に宝尽くし 紋綸子 羽織

寿の字に宝尽くし 紋綸子 羽織

華やかな躑躅色地に長命安泰を祈り、めでたきことを祝う寿の文字三つ。福徳を呼ぶ吉祥の宝尽くしがその中の一文字に大きく入っていて目を引きます。今年も良い年になりますように。

地紙に松竹梅 縮緬 羽織

地紙に松竹梅 縮緬 羽織

扇の骨の部分に貼る紙のことを地紙といいます。地紙の中に松竹梅の文様が描かれためでたい文様です。松竹梅は日本の風土に根ざした吉祥文様です。

宝尽くし 二越縮緬 長襦袢

宝尽くし 二越縮緬 長襦袢

鹿の子絞りで格子の中に打出の小槌、七宝(花輪違い)、分銅、金嚢、祇園守、福徳をよぶ吉祥文様として多く用いられています。

子年 二越縮緬 長襦袢

子年 二越縮緬 長襦袢

今年の干支は子。ねずみが新年の餅つき、打出の小槌も運んでいます。大福帳の横には千両箱、小判も見えて今年も商売繁盛のようです。

お多福 二越縮緬 長襦袢

お多福 二越縮緬 長襦袢

明治以降、宝尽くしも様相が変わり、有職に基づいた宝物に対し身近な縁起物が登場。そのひとつが“お多福”丸顔の豊かな頬。多くの福を当て字され、大入袋と共に商売繁盛も願います。

枝梅 椿 二越縮緬 長着

枝梅 椿 二越縮緬 長着

椿は日本原産、高貴、聖なる花と評され、茶花として好まれました。梅は中国原産、好文木、春告草といわれ多くの詩歌に詠まれ、二つの花の共通は吉祥模様とされ、早春に咲き薬や化粧品に使われていることです。

七福神 八橋織 長襦袢

七福神 八橋織 長襦袢

七福神は、日本、中国、インドから集まった、まさにワンチームのような七人の福の神です。正月七日迄に参拝すると、七つの災難が除かれ、七つの幸福が授かると言われ、新年を迎えるのにふさわしい文様です。

色紙 モスリン 長襦袢

色紙 モスリン 長襦袢

斜め取りの構図を力強く大胆にしている三枡文は、歌舞伎役者市川団十郎の紋所です。奴凧、一富士二鷹三茄子等が描かれた色紙はお正月らしさを感じさせます。

カード・雪だるま モスリン 子供長着

カード・雪だるま モスリン 子供長着

絵柄のカードの中には冬に遊ぶ子ども達の様子が描かれています。「ねえ、雪が積もったら・・・」「お正月にね・・・」と新調した着物を着せてもらいながらのおしゃべりが聞こえてきそうです。軽くて暖か、モスリンは子どもの着物にも好んで用いられてきました。

麻の葉に宝尽くし 二越縮緬 長着

麻の葉に宝尽くし 二越縮緬 長着

麻の成長ぶりはいちじるしく早く、手間がかからずとも大きく育つことから麻の葉は模様として好まれます。邪気をはらう力があるとされるため、赤ちゃんの成長と魔除けの意味を込め産着の模様によく用いられます。そして吉祥文様のひとつの宝尽くしを配しています。

雲取りに宝尽くし 平絹 羽裏

雲取りに宝尽くし 平絹 羽裏

雲取文様は形を様々に変えます。生まれては消え消えては生まれる雲や霞は吉祥文様として古代中国から伝えられました。雲取りの中に打出の小槌や金嚢などの宝がつまったおめでたい文様です。

お正月 二越縮緬 長着

お正月 二越縮緬 長着

昔から伝わる宝尽くしに身近な縁起物のお多福や餅花、的当てが加わり、富や福を祈る気持ちがきものにもいきいきと取り入れられています。

宝尽くし 二越縮緬 羽裏

宝尽くし 二越縮緬 羽裏

地模様の宝尽くしは防染糊を型置きして白く染め抜き、金嚢と隠れ笠は摺りぼかし※1 や写し糊※2 で型染めしたものです。紅白の色合いも縁起の良い吉祥文様です。
※1 丸刷毛で染料を摺り込む
※2 糊に染料を練り込んだもの

早春 二越縮緬 長着

早春 二越縮緬 長着

大好きな梅の花蜜を求めて小鳥がやって来ました。春の訪れです。淡香色の地に薄青のぼかしを配し、まるで掛け軸を見ているかの様な図柄の長着地です。

玩具尽くし モスリン 長着

玩具尽くし モスリン 長着

元気なオレンジ色地に、 パズルが四角散らしの文様のように配された背景に、様々な玩具が賑やかに描かれています。今年の干支のミッキーさんは、名札を持ってアピールしています。

独楽 二越縮緬 羽織

独楽 二越縮緬 羽織

独楽は大陸から伝来し、平安時代は宮廷の儀式にも使われました。江戸時代には曲芸にも使われました。青根岸色地に独楽が今、まさにストップ! したばかりに見えますね。

一富士二鷹三茄子 縮緬 長襦袢

一富士二鷹三茄子 縮緬 長襦袢

初夢で見ると縁起が良いもののことわざですが、四扇五煙草六座頭と続きます。扇は末広がり、煙は高く上がる、毛が無い等の縁起の良い言葉をかけています。この襦袢を着て良い夢が見られます様に。