四季の展示一覧へ

帯地

江戸時代までは帯地として特別に織られたものはなく、装飾用などに織られた生地や着尺地などを帯として仕立てて用いられていたようです。
現代においても帯地になる素材は数多くあり、帯にならない生地はないといっても良いくらいです。
素材も絹・毛・木綿・交織など各種のものがあり、着尺地や洋服地、テーブルクロス、風呂敷等々、いろいろと使われています。
先染めの糸で織り上げた織帯、白生地で織ってから地染めや模様染めをした、染帯があります。
この度は調査研究室所蔵の資料の中より帯のお太鼓の部分を展示いたしました。
お楽しみください。

花車

花車

室町時代に華道が誕生し、やがて貴族や武家の間で花を飾ることが風習になりました。
江戸時代に入って人気になった文様で、花車には牡丹の花などを盛り込んで、華やかな意匠として現代でも愛されています。

オリエンタルな唐花・鳥・象

オリエンタルな唐花・鳥・象

全体的にインド風の異国を思わせる文様の組み合わせで、特に花と鳥を囲っている枠はあえて直線でなく不均一にして絨毯の厚みを表現しているのが特徴となっています。

沢千鳥

沢千鳥

中央に葦の葉と千鳥、水辺を連想する構図から沢千鳥文様。
帯地は緯糸に銀糸を配し、落ち着いた色合いの中にも光沢があり、上品な輝きを放っています。

稲穂

稲穂

臙脂(えんじ)色の繻子の地に、三種の稲を織りで描きました。たわわに実った稲を刈り取ったばかり。豊穣の秋に思いを馳せます。

鳥獣戯画図

鳥獣戯画図

京都、高山寺に紙本墨画の鳥獣戯画図があり、ひょうひょうとした味わいがあります。焼きものの絵付けなどにも使用され、兎、猿、蛙などが擬人化され生きいきと描かれています。

唐獅子

唐獅子

唐獅子、唐子は唐(中国)からの伝来です。中でも百獣の王ライオンをモチーフに、巻き毛の唐獅子は吉祥文。
でもこのお獅子たちはお目々クリクリで可愛く、楽しそうに見えますね。

芸能文(菊慈童)

芸能文(菊慈童)

破れ蜀江文様の紋繻子地を縫い絞りで大きく染め分けて、中央に子どものままの姿の仙人(菊慈童)を刺繍で浮かびあがらせています。能や芝居の演目にちなんだ意匠を身につけるのは着物の楽しみの一つです。

風景

風景

吉祥模様のうち、中国由来の鶴と松、日本独特の伝統的な帆船、これらの模様を取り入れた多色の景色が華やかな席で活躍した事が伺えます。

歌舞伎(土蜘つちぐも)

歌舞伎(土蜘つちぐも)

千筋の糸を繰り出す土蜘蛛の精。舞台の上の不気味さと華やかさを絵画的に帯地に織り出しています。(日本書紀、平家物語などに見られる土蜘蛛伝説を下敷として、能へ、更には歌舞伎の舞踊劇として作られた演目です)

鎌倉文

鎌倉文

鎌倉文は丸の中に花、虫、鳥、器物を紋のように図案化したもので、紋づくしともいいます。能装束や小袖にあり、丸の中にかぶらなど、野菜などが織られているのは狂言文というそうです。

忍冬文(にんとうもん)

忍冬文(にんとうもん)

蔓(つる)草のすいかずらに似た植物を文様化したもので、古代ギリシャのパルメット文様が日本に伝来して忍冬文とよばれるようになりました。朽葉色地に臙脂(えんじ)と青竹色で、蔓と茎がリズミカルに構成されています。※パルメット文様とは葉を扇のように広げた植物文様の一つで、唐草文様のもとになりました。

三ツ扇と源氏香

三ツ扇と源氏香

三本の扇の要を中心に広げると丸を形づくる、これを三ツ扇といい、意匠化されており源氏香の幾何学的な形に優雅な物語性が備わった文様です。

花籠

花籠

つつじ色の七本絽に夏の芙蓉と桔梗など愛らしい秋花を刺繍で表し、季節の移ろいを楽しむ帯になりました。

波の丸文と花七宝文

波の丸文と花七宝文

波の丸文は、未来永劫の幸せと平安な暮らしへの願いが込められ、花七宝の花は、リネン(麻)で、花言葉は感謝と、ずっと続くという意味の七宝文との組合せです。地紋の繁栄を表す市松模様も相まって、おめでたい文様です。

貝合せ

貝合せ

平安時代の遊びである貝合せの貝の中に亀甲・波・雲や四ツ菱に桜などの格調高い有職文様が描かれています。本来の貝合せでは源氏物語などがよく描かれていますが、きものや帯の文様にも見られます。

雪輪

雪輪

雪輪は、雪の結晶を六弁の丸いくぼみが花のように図案化された文様です。古来より、大雪の降った年は雪解け水が豊富で豊作になると信じられていた為、雪は吉兆のシンボルとしてきものや帯に多く用いられています。

黒椿

黒椿

椿は日本原産で古くから冬でも葉を落とさないので霊力を持つ樹木として神事に用いられ厄除けとしても使われていました。

薔薇

薔薇

薔薇は洋花の代表。きものの模様としては近年かと思いますが実は『そうび』と音読みし源氏物語にも出てきます。白の繻子地に色とりどりの刺繍の豪華な花びら。紫式部も愛でた花と思うとわくわくしますね。

裏鏡

裏鏡

大正から昭和初期ごろの丸帯の一部で、龍文・華文など鮮やかな色相で織り出した裏鏡文です。きもの図録別冊に掲載されています。

玩具

玩具

黒繻子地に竹竿に馬の頭の作り物をつけた春駒と、兜や軍配団扇が大小の輪や輪違いでリズミカルに刺繍されています。輪違いは平安時代から見られ、紋章としても使われています。

TOP