絞り染は、インドの絞り染めの技術が中国大陸との交流や仏教の伝来などにより、わが国に渡来したといわれています。 奈良の正倉院に﨟纈(ろうけち・蝋染)、きょう纈(きょうけち・板締め)、とともに纐纈(こうけち・絞り染)の名で呼 …
桜の花は平安時代より愛好され、現代でも多くの人々は開花を心待ちし、お花見を楽しみます。 しかし、一説によりますと、サクラの名称のサは稲の神、クラは神の居る場所とし、サクラは神の宿る木の意であるといわれます。農耕民族の日本 …
去年(こぞ)、今年、除夜の鐘の最後のひとつを聞き、新しい年を迎えました。 本年の干支(えと)は卯(う )(兎)です。兎は元気に跳ねることから飛躍・向上の年といえます。 文様として兎が盛んに用いられるようになったのは桃山時 …
立秋を過ぎた頃より、空気も少しづつ変化して、いよいよ秋の訪れです。夜には虫の声が心地よく響き、移りゆく季節を感じます。 秋の野山に自生する草花は、きものの文様にも多く描かれています。 秋の七草もそのひとつ 「萩の花、尾花 …
豊かな自然とともにある日本。森羅万象のすべてが文様に活かされています。その中のひとつの水文は雲と同様に千変万化する姿がさまざまに文様化されています。水文といえば海や川などがあり、海の砂州を表わす川州文、海浜の松を表わす浜 …
桜の花は日本を代表する花として平安時代のいにしえより、貴族をはじめとして人々に愛されてきました。 “花 ”と言えば梅を意味したものでしたが、それに代わる程でした。農耕民族である日本人にとって桜の花は農作業の時期を予告し、 …
半衿はいったいいつ頃から用いられるようになったのでしょうか。桃山時代の女性の風俗画に見られるように古くからあったとの記述があります。頭髪との関係もあり、さまざまな布を使いきもの衿の汚れを防ぐ目的もありました。 現在のよう …
扇、矢羽根、籠、楽器など、あらゆる道具類や生活用具などを文様化したものを器物文といいます。形が美しく、古くから、きものなどの文様に用いられ、季節の草花や雲取りや霞文などと合わせて多種多様にアレンジされています。 また、割 …
日本は春夏秋冬の変化に富み、季節の移ろいに添って自然と向き合ってきました。 そのような豊かな風土の中で人々は美意識を育んできたともいえるでしょう。 きものに描かれたさまざまな文様、模様も豊かな感性で表現されています。 こ …
五月五日は端午の節句です。 端午の節句に菖蒲や蓬(よもぎ)をつるし邪気を払う風習は平安時代に中国から伝わりました。 この風習から発展し、室内の不浄を払い邪気を避ける為につるしたのが薬玉です。 薬玉は魔除けとされ、種々の薬 …
織り絣 経糸と緯糸のいずれか、またはその両方を所定の間隔に染め分けておき、布面に模様を織り出す技法を絣織といいます。色の染まった部分と染まらない部分とがかすれて見えるところから「かすり」の名がつけられました。十字、井桁、 …
猛暑の夏を過ごし、吹く風に“あら、もう秋かしら”と秋の気配に季節の移ろいを感じます。 こんな一文を見つけました。 「秋ハ夏ト同時ニ、ヤッテクルー」 太宰治 短編「ア、秋」より 夏の中に秋がこっそり隠れているのですが夏の暑 …