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四季の展示「秋を楽しむ」
季節はめぐり秋の訪れとなりました。虫の声も聴かれ、稲も色づき頭をたれています。このような季節の情景はきものの文様にも写し取られています。
豊かな実りをもたらしてくれる収穫の秋、灯火親しむ読書の秋、スポーツや芸術も楽しく・・・。
それぞれの文様からも人の暮らしや文化をも感じ取ることができます。
この度は、豊穣・芸術・モード・旅など、様々な秋を選んでみました。文様の中のいろいろな秋を見つけてご覧ください。
【花檜扇】二越縮緬 長着
色糸で綴られた檜の薄板に見立てた菊や紅葉からは秋の深まりを、綴り糸の動きからは雅が感じとれます。
袙(あこめ)扇とも呼ばれ、宮中では今でも十二単の装身具として使われています。
【優勝カップ】羽二重 羽裏
戦前の男物の羽裏でまだ外来語がみられます。ぬけるような秋の空の下、優勝目指し、汗を流しスポーツを楽しむ余裕のあった頃でしょうか。黒紋付き羽織姿で日の丸の扇をかざし、応援する姿が浮かびます。
【葡萄文】二越縮緬 長着
葡萄の文様は古くは正倉院御物や能装束にも見られます。葡萄唐草文はシルクロードを経て日本にも伝えられました。
たわわに実る房とどこまでも伸びる蔓は豊穣と繁栄の象徴ともいえます。